2025年10月29日(水)

高市首相　大軍拡を対米公約

初の日米首脳会談　「軍事費増に取り組む」

平和賞にトランプ氏を推薦

　高市早苗首相は２８日、東京・元赤坂の迎賓館でトランプ米大統領と初めて対面での首脳会談を行いました。高市氏は日米「同盟の新たな黄金時代を共につくり上げたい」などと提起し、トランプ氏は日本の軍事費増額や米国製武器の購入を促しました。会談後、高市首相は米空母上で大軍拡を対米公約しました。

　会談で、高市氏は「今や日米は世界で最も偉大な同盟国だ」と強調。対中国包囲網を念頭にした「自由で開かれたインド太平洋の進展に向けて日米でさらに協力を進めたい」と呼び掛けました。また、大軍拡について、「主体的に防衛力を強化し、防衛費の増額に引き続き取り組んでいく」と伝えました。

　これに対し、トランプ氏は「わたしたちは、最も強いレベルの同盟国だ」と強調。高市氏が日本の軍事力を大幅に強化しようとしていることを「知っている」と指摘し、米国製武器など日本から「新たに多くの注文を受けた」と述べ、「感謝している」と話しました。

　会談後、両首脳は▽レアアース（希土類）を含む重要鉱物の供給網確保での連携▽日米関税交渉の合意の着実な履行―の合意文書に署名。トランプ氏は合意は「非常に公平な協定になった」と強調し、日米間の貿易が今後拡大するとの認識を示しました。

　さらに、レビット米大統領報道官によると、高市氏は、２０２６年のノーベル平和賞候補にトランプ氏を推薦する意向を伝達しました。高市氏は会談で、トランプ氏がタイとカンボジア間で今月２６日に締結された国境紛争を巡る和平協定の署名に立ち会い、イスラエルとイスラム組織ハマス間での停戦合意を主導したことに言及。「歴史的偉業だ。これだけの短期間に世界はより平和になった」などと恥ずべきご機嫌取りに終始しました。

　会談後、両首脳は米海軍横須賀基地（神奈川県横須賀市）に大統領専用ヘリで降り立ち、米原子力空母ジョージ・ワシントンの格納庫で、大勢の米兵士らを前に演説しました。高市氏は、１９年５月にトランプ氏とともに横須賀を訪問した故安倍晋三元首相の決意を引き継ぐとして「世界で最も偉大な同盟となった日米同盟をさらなる高みに引き上げていく」と宣言しました。