2002年12月21日(土)「しんぶん赤旗」
作家の井出孫六、林郁両氏とジャーナリストの坂本龍彦氏は二十日、東京・霞が関の厚生労働省内で記者会見し、同日東京地裁に提訴した中国残留孤児国家賠償訴訟の支援を呼び掛ける、著名な文化人十八人連名のアピールを発表しました。
アピールは、「戦争による悲劇を二度と繰り返さないためにも、この人間回復のたたかいをみんなで支えよう」と呼びかけて裁判勝利のために百万人の署名運動を訴えています。
残留孤児たちは自分たちの意思で中国に残ったのではなく、国によって置き去りにされ、一九五九年には「戦時死亡宣告」で戸籍から抹消されるなど「棄民」扱いされたと指摘し、国の責任を厳しく批判しています。
呼び掛け人の一人、漫画家のちばてつや氏は「一寸(ちょっと)した紙一重の運によって小生も残留孤児になっていたでしょう。ひとごとではないのです」とメッセージを寄せました。
アピールの呼び掛け人は次の各氏です。(五十音順)
石坂啓(漫画家)、井出孫六(作家)、永六輔(放送タレント)、衛藤瀋吉(東大名誉教授)、加藤登紀子(歌手)、小林カツ代(料理研究家)、坂本龍彦(ジャーナリスト)、佐野洋(作家)、ジェームス三木(脚本家)、新藤兼人(映画監督)、曾徳深(横浜華僑総会会長)、ちばてつや(漫画家)、なかにし礼(作家)、羽田澄子(記録映画作家)、林郁(作家)、古谷三敏(漫画家)、森村誠一(作家)、山田洋次(映画監督)
国を相手どって損害賠償請求訴訟を起こした中国残留日本人孤児の原告団の代表は、二十日の提訴後、各政党に要請。日本共産党は大森猛衆院議員、小池晃参院議員が国会内で応対しました。
代表ら十一人は、六日の衆院決算行政監視委員会で大森議員が小泉首相の「孤児のみなさんの切実な思いを受けとめて対応を考えていきたい」との答弁を引き出したことに謝意を表明。そのうえで、(1)敗戦後の棄民政策など政府がとった施策の誤りを認め、謝罪すること(2)「戦時死亡宣告」により孤児を死亡扱いしたことの謝罪決議を国会であげる(3)普通の日本人として人間らしく生きられるような社会保障制度の確立—を要請しました。
小池議員は、「あの戦争に反対してきた政党として国の責任をしっかり果たさせるよう、がんばっていきたい」と表明。大森議員は「困難ななか、裁判にたちあがった原告団のみなさんに心から敬意を表します。要請の実現のためにあらゆる力を集中して努力したい」とのべました。